インターナショナルは、「国を超えて」の意味ですよね。それは「国際間」のことであり、「国際性』」のことであり、「国際化」のことでもあります。
「インターナショナル」の言葉は、1780年に、英国の法律家だった、ジェレム・ベンサムが考案したものなんだそうですね。
国と国とが仲良くするのは、よいことです。国は、地球の上にあります。地球は宇宙のひとかけらでしかありません。
そんなふうに考えますと、小さな地球の上で、いがみ合っているのは、滑稽にも思えてくるではありませんか。
インターナショナルとミステリも、無関係ではありません。たとえば、アメリカの作家、エラリイ・クイーン。
エラリイ・クイーンは、1929年に、『ローマ帽子の秘密』で、お目見え。『ローマ帽子の秘密』の背景は、当時のロンドンに置かれていました。
『ローマ帽子の秘密』がヒットしたので、『フランス白粉の秘密』が生まれ、『オランダ靴の秘密』へと続くわけですね。
そのエラリイ・クイーンが、1932年に発表したのが、『Xの悲劇』。愛読者によっては、なによりの傑作とされている物語なのですが。『Xの悲劇』には、こんな会話が出てきます。
「………コリンズ、きみはインターナショナル金属に大枚五万ドルを注ぎこんだ。」
これは「サム警部」の、コリンズへの言葉として。
また、『Xの悲劇』を読んでおりますと、こんな描写も出てきます。
「黒のインヴァネス・コートを羽織って、肩のあたりにケープを垂らし………」
これはエラリイ・クイーンの着こなしとして。
9月9日。午後11時40分。ウィーホーケンの波止場でのこと。
「インヴァーネス」i nverness は、1850年代の英国に登場しています。
インヴァーネスが今日の姿になるのは、1880年代のこと。それ以前には、コートの上にケープを二重に重ねたものです。。
あのインヴァーネス独特の深い袖ぐりは、「アーム・レスト」と呼ばれます。
どなたか1880年代のインヴァーネス・コートを再現して頂けませんでしょうか。