ハーフ・クラウンは、むかしの英國の通貨なんだそうですね。1970年までは、使われていたんだとか。
そもそものハーフ・クラウンは、1816年にはじまっているとのこと。直径は約32、31㎜、重さは14、14g。92、5%の銀貨だったという。
ハーフ・クラウンは、半クラウンのことで、その前にまず、クラウンがあって。クラウンそのものは、1526年に生まれているとのことですから、古い。
クラウンももちろん銀貨で。直径は、38㎜。重さ、28、2759g。92、5gの、スターリング・シルヴァーだったそうです。このクラウンは、1971まで流通していたらしい。1971は、英国の通貨が、十進法に切り替わった年ですよね。
クラウンは銀貨で、カンロクがあって。今でも蒐集家の中では貴重な銀貨とされているそうですが。
ハーフ・クラウンが出てくる小説に、『荒涼館』があります。1852年から、ディケンズが書きはじめた物語。もちろん英國の文豪、チャールズ・ディケンズのことです。
「いっしょに飯を食いにいかないか?」とガッピー君がいって、半クラウン銀貨を投げると、ジョッブリン君はたくみに受けとめる。
ハーフ・クラウン一枚あれば、ふたりで食事ができたということなんでしょうか。
『荒涼館』には、こんな描写も出てきます。
「ガッピーさんは見ちがえるばかり、ひどくハイカラになっていました。つやつやした、真新しい洋服、ぴかぴか光る帽子、ふじ色をした小山羊革の手袋、まだら色のネッカチーフ、それに胸のボタン穴には温室づくりの大きな花…………………。」
うーん。羨ましいですね。「小山羊革」は、たぶん、仔山羊革のことでしょう。十九世紀の紳士は、必ず手袋を嵌めたものです。「素肌を見せるのは上品ではない」と、考えられてので。
「ハイカラ」や「ハーフ・クラウン」が生きていた時代に、戻りたい、と思わないでもありませんが……………………。