ポケットとポロシャツ

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ポケットは、服の内袋のことですよね。英語の「ポケット」は1350年頃から用いられているんだとか。なんでもフランス語の「ポシェット」pochette
から来ているんだそうですね。
昔の日本語なら、「隠し」。たとえば上着の内側に、細長い、小さなポケットがあります。あれは、「切符隠し」と呼んだんだそうです。まあ、明治語のひとつでしょう。

「………左の手を隠袋へ差入れて………」

二葉亭四迷が、明治二十二年に発表した小説、『浮雲』にそのような一節が出てきます。
二葉亭四迷は、「隠袋」と書いて「かくし」のルビを添えているのですが。

🎶 右のポッケにゃ 夢がある 左のポッケにゃ チュウインガム………

1950年のヒット曲『東京キッド』の歌詞に、そんな表現が出てきます。歌ったのはもちろん、美空ひばり。『東京キッド』は映画にもなって。美空ひばりの主演でしたね。
ポッケはたぶんポケットの幼児語なのでしょう。
ポケットでひとつ誤解があるのは、「ピスポケ」。ズボンの腰ポケットのことを洋服屋用語で、「ピスポケ」。その昔、ピストルを入れるポケットだったので。
この説は誤りで。ほんとうはただ単に、「ヒップ・ポケット」が「ピスポケ」に聞こえただけの話なんですね。
ポケットが出てくるミステリに、『メリーゴーランドの誘惑』があります。
1983年に、フランスの作家、モーリス・ぺリッセが発表した物語。

「しゃべりながら警視はレインコートのポケットを探った。」

これは「ジャルデ警視」の仕種として。
また、『メリーゴーランドの誘惑』には、こんな描写も出てきます。

「白いズボンの上にかぶった青と白のポロシャツの袖からベルトランのたくましい腕が現れ………」

「ベルトラン・アバディ」は、技師と説明されています。

現在のポロシャツを発明したのは、フランス人。テニス選手だった、ルネ・ラコスト。もともとは、テニス競技にふさわしいシャツだったのですね。
どなたかテニスがしたくなるようなポロシャツを作って頂けませんでしょうか。

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