フェリーとブッシュ・ハット

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

フェリーは、フェリーボートのことですよね。「渡船」。
フェリーはフェリーボートを約したものです。渡船を約したものが、「渡し」であります。

🎶 矢切の渡し………

たしかそんな歌があったはずです。あの「渡し」もまた、フェリーのことだったわけですね。
「フェリー」ferry は1286年頃から用いられている英語なんだそうですね。これは古代英語の「フェリアン」ferian
と関係があるらしい。このフェリアンは、「運ぶ」の意味があったという。たぶんフェリーボートは、「運ぶ船」というところから来ているのでしょう。
フェリーが出てくる小説に、『地を潤すもの』があります。1976年に、曽野綾子が発表した物語。

「駅からすぐフェリーに乗れるという。」

列車の車掌に、フェリーでペナンに行くことを薦められる場面。
曽野綾子の『地を潤すもの』は、主人公の水島 譲が、弟の水島 団を、シンガポールに訪ねる内容になっています。
もっとも弟の水島 団は、大戦中に戦死しているのですが。せめてその墓参りをしようと。日本から「カルピス」を持って。弟の団は、カルピスが好きだったので。
水島 譲は単純に墓参りだけを考えていたのですが。ひょんなことから事件の真相を識るようになって。この辺りはちょっとミステリ味なんですが。

フェリーが出てくるミステリに、『最初の恋、最後の儀式』があります。英国の作家、イアン・マキューアンが、1975年に発表した物語。

「………ぼくはフェリーで川の向こう岸に渡り、工場の門で彼女を待った。」

また、『最初の恋、最後の儀式』には、こんな描写も出てきます。

「ブッシュ・ハットをかぶり、白いシャツを着た男が、オーケストラ席でテープレコーダーの準備をしていた。

「ブッシュ・ハット」bush hatは直訳すれば、「藪帽」。そのむかしオーストラリア軍が採用していた制帽のこと。
コットンの鍔広帽で、ジャングルを歩くにも最適の帽子でありました。片方どちらかのブリムを、クラウンに寄せてかぶるための工夫がなされていたものです。
どなたか現代版のブッシュ・ハットを作って頂けませんでしょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone