芭蕉とソフト

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芭蕉で、俳句でとなれば、松尾芭蕉ですよね。
松尾芭蕉は今の、三重県、伊賀の生まれなんだとか。子どもの時の名前は、宗房。宗房は二十歳くらいから俳句を詠みはじめて。名前を、桃青に。「青い桃」。まだまだ味わえたものではありません、という謙遜の気持だったのでしょうか。
そんなわけで芭蕉はずっと「桃青」の俳号だったのです。1680年ころ。桃青は、今の深川に移り住む。その時、弟子の李下という人が、芭蕉をひと株もってくる。この芭蕉が根付いたので、喜んで。

芭蕉植ゑて まづにくむ荻の 二葉かな

と、詠んでいます。そんなことがあって、いつの間にか「芭蕉庵」と呼ばれるように。芭蕉庵に住んでいる人だから、「芭蕉」を名乗ることになったんだそうですね。
芭蕉に似ているものにバナナがあります。1910年のアメリカで、バナナを扱っていたのが、「ユナイテッド・フルーツ」。ユナイテッド・フルーツはアメリカからのバナナ輸出、77%を占めていたという。
1910年のフランスで発表されたのが、『オペラ座の怪人』。もちろん、ガストン・ルルーの物語。この中に。

「大きな黒いマントにくるまり、黒いフェルトのソフト帽をかぶった人影が………」

という一節が出てきます。「シルク・ハットではなく、ソフト帽」というところに、含みがあるのですが。1910年ころのパリでは、被る帽子によって、その人物まで推理できたのかも知れませんね。

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