カイロは、エジプトの首都ですよね。そしてこのカイロにあるのが、「カイロ博物館」。カイロ博物館には、ツタンカーメンの遺物が収められています。
1980年に「カイロ博物館」を見学したのが、高峰秀子。夫の松山善三といっしょに。その旅の記録は、『旅は道づれ ツタンカーメン』で読むことができます。
「またひとつ、とんでもない棺が、最後に姿を見せた。純金二百三十五キロの棺である。なんという豪華絢爛な、この世のものとは思えなかった。」
『旅は道づれ ツタンカーメン』には、カイロでの話ばかりではなく、パリの話も出てきます。
「パリは、マドレーヌの近く、チャールス・ジュルダンという店で、ベージュの靴を買った。ベージュと書けば、色は一色に聞こえるが、その濃淡の幅は広い。」
これはたぶん、「シャルル・ジュルダン」のことかと思われます。高峰秀子は、このベージュの靴に合わせて、同じ色のハンドバッグが欲しいと思う。パリ中を探して見つからず。三ヵ月後の、ロオマで、やった納得のゆくベージュのハンドバッグを発見。なんだかツタンカーメンの墓を発見するような話が出ています。
カイロが出てくるミステリに、『グリーン・サークル事件』があります。エリック・アンブラーが、1972年に発表した物語。
「前回滞在したカイロは冷たかった。が、今度は様相まったくことなrはずだ。」
また、『グリーン・サークル事件』には、こんな描写も出てきます。
「記事には、わたしがワイシャツに “ 高価な黄金のカフス・ボタン” を着けていたと記されている。」
これは実業家の、マイクル・はうえるの呟き。そして、また、「高価でない黄金のカフス・ボタンはあるのか」と、心の中で反論するのですが。
235キロも要りませんから。1ミリグラムの、ゴオルドのカフ・リンクスが欲しいものでありますが。