ヴェルヴェット・スリッパーズとウエスタン・ジャケット

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ヴェルヴェット・スリッパーズは、履物のひとつですよね。たいていはビロード製なので、「ヴェルヴェット・スリッパーズ」。
いかにも英国的な履物でしょう。英国人が自室などで寛ぐ時に、よく似合うものです。たとえば書斎で、本を読む時など。寝酒としてのブランデーを傾ける時などに。
すると、たいていは上にスモーキング・ジャケットを羽織っているのでしょう。
スモーキング・ジャケットもまた、ヴェルヴェットやコオデュロイで仕立てられるので、ビロードがふさわしいものと思われます。
ヴェルヴェット・スリッパーズの特徴は、甲の部分に持ち主の頭文字があしらわれることでしょう。時と場合によっては、イニシャルだけでなく、家柄の紋章を配することもあります。もちろん、紋章があればの話なのですが。
つまりヴェルヴェット・スリッパーズは、どこかで貴族の家柄を示す小道具という印象があります。
ヴェルヴェット・スリッパーズが出てくる小説に、『コーンウウォールの嵐』があります。1975年に、英国の作家、ロザムンド・ピルチャーが発表した物語。

「………頭文字が金色で刺繍されたベルベットのスリッパを履いていた。」

これは、グレンヴィル・ベイリスの自宅での様子として。グレンヴィル・ベイリスは、八十歳。物語の主人公の祖父という設定になっています。
また、『コーンウウォールの嵐』には、こんな描写も出てくるのですが。

「………それに同じく古ぼけて色褪せたブルーのデニムのジャケットを着ていたが、その下に着ていたシャツのチェックの袖口が見えるように妙にキッチリと袖口を折り返していた。」

これは、とある家具屋の店員の着こなしとして。まったくの想像ですが。家具屋の若い店員は、ウエスタン・ジャケットを着ていたのではないでしょうか。
私たちがよく「Gジャン」と呼んでいる上着のこと。アメリカでは「ウエスタン・ジャケット」と言ったりするようですね。
どなたか絹のデニムでウエスタン・ジャケットを仕立てて頂けませんでしょうか。

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