赤ワインとアラン・スェーター

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赤ワインは、「ヴァン・ルージュ」のことですよね。葡萄の実を狩り取って、皮の付いたまま仕込みますと、赤ワイン。葡萄の皮を取った状態で仕込みますと、白ワイン。葡萄の皮を途中で引き上げますと、ヴァン・ロゼになるんだそうですね。
でも、ふつうは、「白ワインですか? 赤ワインですか?」と聞かれることが多いようですが。
理想を承知で申しますと、最初に一杯の白ワインを頂きたい。そして二杯目からは、赤ワインを。
赤ワインがお好きだったお方に、ヘッセがいます。ドイツの作家、ヘルマン・ヘッセ。代表作は、『車輪の下』でしょうか。
ヘルマン・ヘッセは1877年7月2日。ドイツに生まれています。
どうしてヘッセを赤ワイン好きだと、言ったのか。ヘッセには、『ヴァルテッリーナの赤ワイン』の随筆があるからです。
これはふつうにいうところの、ヴァルテリーナのことかと思われます。コモ湖からも遠くはないイタリアの街のことです。コモ湖のプリント技術と同じく、ワイン造りでも有名な場所であります。

「御存知だろうか? あの、憂鬱を秘めた、濃い深紅の濃厚なワインを。」

ヘルマン・ヘッセは、ヴァルテリーナの赤ワインを、そんなふうに語りはじめるのです。

「このワインは隠者のような深い心を持つ友である。」

ヘッセはヴァルテリーナの赤ワインについて、そうも書いているのです。

「というわけでカヴァレットへ。我々は豆のスープとマグロのステーキを食べ、キアンティを飲む。」

ヘッセの『上部イタリアの情景描写』には、そのように出ています。これは1901年に、ヘッセがヴェニスを旅した時の話として。
ここ出てくる「カヴァレット」は、ヘッセがヴェネチアで偏愛したレストランの名前。

赤ワインが出てくる小説に、『シークレット・オブ・ベッドルーム』があります。2 006年に、アーヴィン・ウェルシュが発表した物語。

「あいつは赤ワインが好きだから、赤を用意しておこう。赤だ、赤ワインだ………」

これは「ダニー」が、「ケイ」のために用意するワインとして。
また、『シークレット・オブ・ベッドルーム』には、こんな描写も出てきます。

「ぶかぶかのアラン・セーターとウウォーターブルーのパーカーを風にはためかせながら………」

これは「ブライアン・キビー」の様子として。
「アラン」Arran はスコットランドの孤島の名前。この島で編間れていたので、その名前があります。
もともとはフィッシャーマン・ジャージー。寒い北の海でも耐えられるように、極太で、緻密な編みかたのスェーター。
どなたか本物のアラン・スェーターを編んで頂けませんでしょうか。

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